2011年11月14日

南極料理人はあんなに面白いのに、なぜ南極大陸は疲れるのか?

南極料理人はあんなに面白いのに、なぜ南極大陸は疲れるのか?



映画「南極料理人」は、ひょんなことから観測隊の調理担当として南極に赴くことになった海上保安官・西村淳が、昭和基地から1000kmも離れ、しかも富士山より高い標高3810mという極限の地に存在する「ドームふじ観測拠点」で、隊員8名分の食事を用意する日々を綴った同名エッセイをベースに作られた作品。
主人公・西村淳を堺雅人が演じ、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補といった上手い役者達が脇を固め、雪と氷に閉ざされた南極大陸を舞台に、その壮大さとは裏腹な実にコンパクトな物語を、一つ一つ丁寧に描いている。
「厳寒の辛さはなんとなく分かってるっしょ」ということで、それを逆手にとって笑いにもっていく。
雪原に「かき氷いちごシロップ」でラインを引き(途中舐めたりする)、やがてラインは四角形となり野球のダイヤモンドになる。子どもっぽく野球に興じる彼らから伝わってくるものは、人情の機微であり温もりである。
ある日、インスタントラーメンのストックが切れる。ラーメン好きの気象学者(きたろう)が不眠症になる。雪氷学者(生瀬勝久)が「潅水(かんすい)」を調べ、それはやがて手打ち麺になり、立派なラーメンの完成へとつながる。熱々のラーメンを前にしたきたろうの表情が抜群だ。観ていてこちらまでラーメンを食べたくなる。
細かい仕掛けの一つ一つが日本人の感情を巧みに揺さぶる。
なんとなく淋しい気持ちのとき、ちょっと病んでるかな?ってなときにお勧めの作品。


さて、TBS60周年ドラマ「南極大陸」‥。
頑張って作ってるのはよく分かる。だけど全てが粗い。
毎回山場を求めるテレビの宿命なのか。必ずドラマチックな大トラブルが発生するわけだが、まるでTV版『宇宙戦艦ヤマト』である。
ヤマトでは、毎回の戦闘を経て大規模な被害が出る。どう考えてもイスカンダル到着までに全員玉砕しちょろ‥てな塩梅にも関わらず、不滅の第3艦橋の伝説と同様にどこで追加されたかは不明なれど乗組員が減った感触はない。(ヤマトの場合、このご都合主義が雑なストーリーを奇跡的に補強してるわけだけど‥)
一方、南極大陸は大味(雑味)だ。事実の上に立つフィクションである以上、それなりにしっかりとした考証が必要である。けれどざっくりやっつけちゃっている。
船の知識があれば「んなこたぁねーだろよ」と突っ込みを入れたくなる時化のトラブルとかいろいろ、むりやり派手な大トラブルにしちゃってる脚本がそもそもよくない。
それに、大ヒット作「Jin-仁-」と同じ演出技法も空回りしている。
「忍耐→発見→突破」という毎回用意されている局面の転換点でかならずかかるあの劇伴(BGM)。
「Jin-仁-」では《さあお泣きなさい》という合図としてうまく作用したが、今回はダメだ。
木村拓哉もせめてヒゲ面にすりゃいのに‥。
こないだのボツンヌーテン初登頂云々の回でも、ヒゲ剃るチャンスなんて皆無。なのにツルツル‥そりゃダメだ。
堺雅人は相変わらずうまい。それだけが救いである。
posted by 榎田信衛門 at 19:43| Comment(0) | 008雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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