2006年03月16日

それって、儲かるの?

近頃の若い者は・・なんてカテゴリーを設けてダラダラ語っておりますが、今回は、その上または上の上の世代に対する悪口雑言です。

そういう世代の方々に、何かしら新しい企画(何でも良い)を提示する際、必ず返って来る言葉。

「それって、儲かるの?」

・・お前は、大阪人か。
否、大阪人の「儲かりまっか?」に大した意味は無い。「ぼちぼちでんな」で済む話でござる。
ところが「それって、儲かるの?」っていうのには、相当に深い病理が潜んでいる。
データ偏重責任回避、それに拝金主義だな。

噛み砕いて言えば、企画に内包されている理念とか、公徳心とか、そういう最も重要な肝(キモ)に触れることなく、単に収益性という上っ面だけを観て偏差値を付けようとすることよ。

例えば、新人歌手のオーディションみたいなもので、最初から完成された人材なんて滅多に居るもんじゃない。いわゆる原石発掘じゃないですか。ところがここ数年特にそうなんだけど、収益性ばかりに視点を置くもんだから、ついでに言えばそれを見極めるべき立場にある連中の目がゼニクレイジー(コンドールマンより)状態であるから、悪しき連鎖ばかりで望ましき連鎖はちっとも生まれない。

企画って言うのはねぇ、そりゃぁ思考を明確化させるテクニックやプレゼンの工夫も無いよりはあった方が良いに決まっているけれど、重視するべきは、何を思いついたのか?・・なのであって、最初から結果予測じゃ何も始まらないわけですよ。
そこら辺で売ってる企画書系ビジネス本の殆どがこういうテクニック云々について解説しているだけ。これはねぇ、料理で言えば盛り付けの解説ってことですよ。重要なのは『材料と調理法』であることに気付かない素人さん多すぎ。(実はプロにもその病理は蔓延しているけれど・・)

モノを知らない若造の駄企画であっても、収益性云々を上手に見せれば、つまりマーケッティングの様々な手法を用い、ビジュアルプレゼンテーションよろしく・・《カッチリ》とした企画としておっさん達に見せればですよ、騙すことは比較的容易でござんす。
テンプレ文化なんだなぁ。前述ビジネス本に書いてある通り、要するに、パワーポイントとか使いましてね。効果音とかも適度に入れて、グラフィカルにプレゼンをする若い人達。こういう《手法に走る》のって今や多すぎ。

まあね、これでうまく行けば結果オーライで宜しいでしょうよ。けれど、実際うまくいくのって実はほんの一握り。ちょっとでも収益が落ちたらチョンですわ。だってそうでしょ、そこにあるのは理念じゃなくて収益性だもの。誰も理念のために知恵を集約しようとはしない。

これはねえ、じっくり話を聞かない馬鹿な大人が増えたことによるコミュニケーション破壊の一例なんです。じっくり話すことより、表計算のデータを如何に説得力あるものに見せかけるかに腐心してきた大人達が蒔いた悪しき種の発芽と言っても良い。

「それって、儲かるの?」・・いきなりこう切り出す奴。私の周りにも一杯いる。この瞬間、私は「いえ、まず儲かりませんね。あんたと組んだら」と冷笑を浮かべつつ、腹の中で「下賎な奴め」と申し上げることにしている。

私ならこう言う・・。
「もっと詳しく話してくれないか?核心部分まで聞きたい。で、単独で磨ける企画なのか?セッションがいいのか?アイデアをぶつけてみましょうよ」
収益性を上げる工夫は、ここから始まるのだ。

※残念なのは、そう言うと尻込みしてしまう若造が多いこと。テクニックに走れば理念が無くても何とかなると思い込んだヴァーチャルプランナーの哀れな姿です。こういうの・・あんたら責任逃れ系大人が作ったんですぜ。

☆一度「プロジェクターやモニタの使用禁止。企画書も禁止。言葉で熱く語れ!」というスタイルでコンペを開いてみない? プレゼンする側の話術云々ではなくて、むしろ聞く側の聞き出すテクニックが重要なことに改めて気付くはず。


posted by 榎田信衛門 at 10:07| 003近頃の若い者は | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月09日

経験値と記憶量

例えば・・
『1+2=3』
という簡単な式。

普通の大人であれば、計算というプロセスを経なくても記憶の読み出しをするだけで、答えの「3」という数字は簡単に出せますね。

では、『3x+y=10』と『2x+y=7』の連立方程式で「x」と「y」を導き出せと!と唐突に言われたらどうでしょう。
文系の方は特にそうかもしれませんが「ええーっと、エックスを?」と迷いはじめます。
しかし中学時代に習った《加減法》なんてものを思い出せば、なんてこたぁない。誰だって「x=3、y=1」ってすぐ解けちゃいます。

これまで「放送の現場で働いてみたい」とか「番組を作って誰かに聞いてもらいたい」という若者を、そりゃあもう佃煮が出来るほど見て来ましたが、若さゆえ経験値の乏しさからか、思慮の浅い失敗やトラブルを巻き起こすことが非常に多い。
否、失敗を恐れる必要はないのですよ。失敗結構じゃないですか。失敗しても失敗しても、懲りずにチャレンジを繰り返すのが若者に与えられた専売特許ですからね。
逆説的に言えば、多くの失敗を乗り越えて来た奴は、いつか猛者になれます。まさに失敗は成功の母なのであります。

しかし、ガイドはあっていい。
わざわざ失敗する道を選ぶより、「その道は危険だから、こっちを通った方がええで」という天の声です。
それが経験豊かな先達のアドバイスってもんでしょ。先達の知恵・・つまり文化です。
どんな分野でも言えることですけど、経験を積めば、記憶量(データ)の増大と共に、効率の良い分析手法の選定が可能になってきます。
さっきの方程式を見た瞬間に《加減法》を思いつくのが経験値であり、その瞬間に答えが見えてくるのが記憶量とも言えますね。

「ParaTさん、この企画いいでしょう。どうですか?」と若者Aが企画書を持って来ました。
見た瞬間・・「あ、この企画は穴だらけで《ドボン》だぞ」とすぐに分かってしまうものがあります。(・・というか、この手の企画書の殆どが実はドボンだったりするのです。最初はそんなものです。)
面倒見の良いわたくしは「こことここをもう一工夫してごらん」と優しく指導するのであります。

わたしには、こういう先輩がいませんでした。なんだか知らないけれど「若いのにデキた奴だ」と妙にチヤホヤされて、業界の急斜面を単独登山してきましたから、常に転落の危険と隣り合わせの毎日でした。たまにアドバイスしてくれるおっさんの意見を聞いてみれば、とんでもないガセネタだったりして、危うく大怪我しかけたりもしました。その都度、面倒見の良い先輩が居てくれたらなあと思ったものですよ・・しんみり。

さて本題に戻しましょう。
昔は・・。と言ってもほんの10年くらい前ですが。その頃までのお若い方は「あ、そうっすか。ほんじゃ練り直してみます」と言って次回のリベンジを虎視眈々と狙うのでありましたが、どうやら最近は手法が全く異なるご様子。

今どきのお若い方は・・。面倒臭いリベンジなんてものは狙いません。誰か別の理解者(審判)を探しに飛び出てしまいます。
自分の人格を認めてくれる誰かを求めて彷徨うのと同じで、かなり無駄なエネルギー消費が考えられますが、そんなこたぁ若いエナジーにゃ関係ないのでしょう。
「いや、信念を貫こうとしているのだよ。立派じゃないか!」という見方も出来なくはありません。しかし、分かる人間(経験豊かな先達)が見れば、企画の中身(つまり方程式ですね)から導き出される答(結果)が、立案した本人の意思(想定)とは別のもの・・つまり間違いにすぐ気付いちゃうものなんです。一流シェフが、レシピを見ただけで味の骨格や肉付が分かるのと一緒です。

しかしそれを認めないんだな。
頑固な若い人・・増えてますよ。
もっと柔らかい頭を持たにゃ?。

▼余談ですが『企画書』について一言。
番組企画でもイベント企画でも商品企画でも何でもそうですけれど、アイデアを周知させるために用いる『企画書』というドキュメントがあります。こいつは、企画と言う複雑な方程式を極めて文学的に捉え、イメージしやすい図表を用いて演出した《愉しいガイドブック》でなければならないと私は考えています。そういうのを私んとこに持ってきてね。
posted by 榎田信衛門 at 00:00| 003近頃の若い者は | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月01日

近頃の若い者は「テンプレート」

いい時代です。殆ど何にでもテンプレートが揃ってます。
その枠を上手に使えば、そこそこの満足感にひたれますわね。

私の時代にゃ、テンプレなんざありゃしません。
何でもDIYが当たり前でござんした。
逆に、テンプレを使うのが「カッコ悪し」というイメージがありました。
だから、ベースがわからんくらいカスタマイズしたくなるんだな。
面倒ですよ。でも止まらない・・笑。

テンプレ人間は「もっと新しいテンプレを」「失敗したから次のテンプレを」と右往左往し始める。
テメエのおつむで進行すべき順路を思考できない。

脱テンプレ思考の若い方いませんか?
あなたとなら話が合いそうだ。
posted by 榎田信衛門 at 00:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 003近頃の若い者は | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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